加賀利友弘のサイズブログ
2013年12月
2013/12/16

2013年の流行語大賞には、何が選ばれるか、という話題で、安倍総理の掲げた「アベノミクス」、ドラマ『半沢直樹』の「倍返しだ!」、テレビCMの「今でしょ!」などが本命視されている中で、『あまちゃん』の劇中に登場する「じぇじぇじぇ」が選ばれるかどうかが議論されている、という事実も知っています。

流行語というものを見聞きする度に、いつも思うのですが、あくまで流行というものは個人的価値観が優先されるものであって、社会における主流と解釈するのは如何かと思うのですが、これは共同体主義である日本独特の風土なのだろうかと思わざるを得ないわけなのでございます。

インターネット空間は能動的であり、且つ個人の意志を確立するには、もってこいのプライベート空間でもあります。最近の若者は個人主義の傾向にあるという主張を散見できますが、これはパソコンやスマートフォンなどの情報端末の普及により、個人主義思想が芽生えやすい土壌が定着した結果ではないでしょうか。 それらネットユーザーの、流行語に対する意見を見ていると、反応は様々です。


「『あまちゃん』なんてローカル。一部の人が熱狂しているだけ」
「『オリンピック東京招致』。正月から、この話題を聞かない日はない」
「ドラマ関係の流行語は、テレビを観ていない者にとっては『?』なのね」
「『バカッター』とか『厨二病』なんじゃない?」
「『再稼動反対』」


何とも、バリエーションに富んだ意見が見受けられます。ただ、ネットユーザーと一般大衆の意見は乖離しているので、必ずしも、これが輿論であるとは云えません。ネットを嗜んでいない人たちは、寧ろ、時事問題を含む情報には無関心の傾向にあります。

さて、株式会社リビジェンが全国の10代から30代の男女を対象に、テレビドラマに関する調査(有効回答数:500)を行ったところ、ドラマ『あまちゃん』を観ている人は20.4%、観ていない人は79.6%。 観ている人の中で、「じぇじぇじぇ」という台詞を使ったことがある人は22%、使ったことがない人は78%となったそうです。 つまり、「じぇじぇじぇ」という言葉を懇意的に認知している人は、全体のおよそ4.5%となります。 そうなると、「じぇじぇじぇ」は流行語大賞となりえるのでしょうか?


そもそも、流行語大賞とは、何なのでしょう。


新語・流行語大賞は、その年度ごとに生まれた言葉の中で、世情の流れを巧みに映し出し、大衆の間で話題となった流行り言葉を抜き取って、その言葉の生みの親となった人物や団体を顕彰する賞です。 創始されたのは1984年(昭和59年)で、毎年12月1日に発表されます。ノミネートされる流行語は、『現代用語の基礎知識』の読者からアンケートによって選定されます。そのアンケート結果を新語・流行語大賞選考委員会の委員七名によって大賞が決定します。


まだ創始された当初は、新語部門と流行語部門に分けられており、各部門に授与されていましたが、1991年(平成3年)に開かれた第8回目に年間大賞、1994年(平成6年)に開かてた第11回目に両部門の受賞が統一されました。 2003年(平成15年)には株式会社ユーキャンと提携することになり、2004年(平成16年)からは『ユーキャン新語・流行語大賞』に改称されました。


毎年、数々の新語・流行語が選定されますが、問題点も存在します。


例えば、宗教や犯罪が絡んだ言葉、また、レイシズムに関わってくる言葉はノミネートされません。具体的な例は、1995年(平成7年)のオウム真理教関係の「ポア」や「ああ言えば上祐」、2012年(平成24年)の「ナマポ(生活保護の俗語)」等が挙げられます。 また、選考委員の七名の個人的嗜好によって選定されるため、恣意的要素が強く、輿論を反映した客観的な言葉が選ばれているとは云い難いです。


2000年代後半からは、流行語を広めた人物や団体ではなく、流行語の発端となった人物や団体が、象徴として受賞されるケースが見られるようになりました。これは、こじつけにしか見えないものが多く、また、授賞式の際にも、本人のスケジュール上、出席できない場合も多々あります。


新語・流行語大賞のジンクスとして、タレントから選定された流行語の対象となった人物は、人気が落ちて一発屋になるというものがあります。 例えば、楽しんご、Wコロン、レイザーラモンHG等が挙げられます。

テレビ離れが叫ばれている昨今、主にテレビから選出されている新語・流行語大賞ですが、テレビの視聴率が益々低下し、ネットが完全に主流になったとしても、それでもテレビ主眼で新語・流行語が選ばれるのでしょうか。 現状のこじつけがましい選定スタイルを見ていると、必然的にテレビ主体に拘り抜く職人気質を見せ続けるのかもしれません。